1. 信号品位に関するもの
ガルバニックグラウンド(信号)
– 内部へのEMI放射が半導体で検波されると仮定。
– 内部へEMI/コモンモードノイズも持ち込まない。しかしただのフィルターでは信号品質に影響する
—> ノイズの帰路を塞ぐことで信号品質/音質への影響を抑える。
– 内部へEMI/コモンモードノイズを放射・伝播しない。逃げる先の FGはガルバニックカップリングによって限定的に結合される。
– 信号グラウンドへノイズを伝播させない一方で、高周波領域では低インピーダンスでボンディングして等電位化、差音(低次倍音)化する高周波ノイズを顕在化させない。
ガルバニックグラウンド(電源)
– DCインプットはフロートされている
– 通常はYコンデンサ などでコモンモードEMIを逃すが、コモンモードだけでなく、デファレンシャルモードもろとも阻止
– 安易に入力近傍でFGに落とすと筐体から外へののEMI放射が増えることがあるため。
– また、何段もフィルターを通過した後に筐体に結合した方がクリーンであるし、半導体との間に電界が発生しづらい
ガルバニックアイソレート(筐体)
– 容量性結合によってボンディング帯域および減衰量を限定し、半導体に有害な高周波電界の発生を阻止
電源ノイズフィルタ
– 対EMI 4段(プロトタイプは3段)
– 対リップル 3段(実質2段)
シンプルを最高の環境で動作させる:
a)単純化してガタツキを解消、濁りを発生させない
– 増幅段数の極小化 – 半導体など非線型デバイスを最低限に
– DCサーボを採用しない
b)動作条件を限界化、微小領域のエラーを拡大させない
– A級動作のバイアス 電流を過剰に。
– トランジスタ 動作温度を60℃程度に保持。安全対策は下記の通り万全。
– フィードフォワード類似技術によりバランス出力時の高域特性悪化を緩和
c)低インピーダンス /高周波領域に至る過渡特性
– 前記した、素子数の極小化
– NFBネットワークの低インピーダンス化
– アンプ回路は2.5cm(1インチ角・高さ)の範囲に集積し、立体配線
d)瞬時電流供給能力の増大
– 音量に応じてアンプの出力は決めれば良いが、小音時であってもダイアフラムを制動するには一定の能力が必要
– そのヘッドホンの最大入力時の6-10倍の能力が必要と計算し、最大のケースで2-5A程度あれば十分とする。
– しかし、Icが増大するとIbが増えて、ドライバ段のリニアリティが悪化どころか、定格出力までリミッティングされるので、これを補償する
– ただし、事故電流等が継続して流れぬように、一定時間経過後は定格出力以下に抑えることで性能を損なわずに安全を確保